一昔前は聞き慣れなかった歯科のインプラント治療ですが、インターネットの普及によって、飛躍的に知名度が向上しました。「インプラント」は病気や障害などの治療を目的として体内に入れる医療器具全般を指しますが、今では歯の「インプラント」をイメージするする方が多いのではないでしょうか。
歯の「インプラント」治療は、顎の骨に人工の歯根を埋め込んで、その上に人工歯を被せる治療法です。インプラントは人工歯をしっかりと固定するので、自分の歯と同じような感覚で物を噛めることが大きなメリットです。また、隣接する歯を削ったり装置を付けたりしないので、残っている本物の歯に負担をかけません。そして、天然の歯と見分けがつかないほど自然な見た目に仕上がります。そのため、現在は大変人気のある治療法です。
このようにメリットがたくさんあるインプラント治療ですが、全く問題が生じない完全完璧な治療法ではありません。「そんなこと知らなかった」「それならインプラントを選ばなかったのに」といったような悲しい結末にならないために、インプラント治療を検討している方々に先に知っておいていただきたいことをまとめてみました。
インプラント治療の前に知っておいてほしい6つのこと
その1 インプラント治療は保険診療の対象外です
インプラント治療は、保険適用外の治療法であり公的医療保険の対象外の自由診療です。そのため、一般的な保険適用の歯科治療と比べると治療費がかなり高額です。また、治療終了後も定期的なメンテナンスが必要になるため、その分の費用も把握しておいたほうがよいでしょう。治療を決定する前に、支払うことになる金額をしっかりと把握して、ご家族とも話し合うことをお勧めします。
その2 インプラント治療にはゆとりある受診が必要です
インプラント治療の開始前に、口腔内や全身の状態を詳しく検査して調べる必要があります。検査だけでなく、歯みがき指導や食事指導、クリーニング、定期的な咬合審査などが必要な場合もあります。そのため、実際に手術を行う前に複数回、歯科医院に通う必要があります。診療を開始した当日にいきなり手術をしたり、「一週間後までに絶対間に合わせたい」という希望が叶う治療方法ではありません。人工の歯を埋入した後も、定期的にメンテナンスで歯科医院に通うことが必要です。治療の期間と時間に十分なゆとりを持って、治療を開始しましょう。
その3 インプラント治療には手術が必要です
インプラント治療は、顎の骨にインプラントを埋め込むため、必ず外科の手術が必要になります。麻酔で痛みはかなり軽減されますが、体にはどうしても負担がかかります。そのため、持病があって薬を服用している場合や妊娠している場合などは、歯科医師にインプラント治療が可能かどうか相談しましょう。また、心筋梗塞や脳梗塞などにかかった経験がある方は、事前に医療機関で検査してもらう必要があります。
その4 埋入後も、メンテナンスが必要です
インプラント治療終了後も、定期的に歯科医院に通ってメンテナンスをする必要があります。歯科医師が、インプラントの定着状態や被せ物や噛み合わせの状態などをチェックし、必要に応じた処置を行います。メンテナンスは、3か月に1回程度のペースで受けることをおすすめします。
歯科医院でのメンテナンスや歯ブラシなどのセルフケアを怠ると、インプラント歯周炎という感染症にかかるリスクが高くなります。インプラント歯周炎は歯周病と同じような性質の病気で、悪化させると歯茎が痩せていき最終的にインプラントが抜け落ちてしまう可能性もあります。インプラントは天然の歯と比べると炎症への抵抗力が低いため、細菌に感染すると急速に病状が進行します。自覚症状がないため、自分で気づいた時には既にかなり悪化していることが多いです。感染症予防のためにも、治療終了後も定期的なメンテナンスはしっかりと受けるようにしましょう。
その5 喫煙者は埋入後の感染症のリスクが高くなります
喫煙者はインプラント治療が出来ないというわけではないですが、インプラント治療をきっかけに禁煙することをお勧めします。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、先述したインプラント周囲炎を発症するリスクを高めます。喫煙者の方は、インプラント治療を開始する前に、歯科医院で相談したり禁煙外来を受診することも大切です。
その6 不適切な広告宣伝に注意しましょう
SNSが盛んになってから、インターネットでインプラント治療の不適切で過剰な宣伝広告が目につきます。厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、WEBサイトで「日本有数の症例数」「最高の技術」のように自我自賛したり、一般の歯科開業医で「インプラント科」「インプラント外来」などと標榜をしたりすることを禁じています。上記のような記載をしていたり、明らかに安すぎる治療費を宣伝をしていたりする歯科医院は、避けた方がよいでしょう。
まとめ
インプラント治療は、一度受けたら長期間に渡って身体の一部として機能させなければならない治療法です。ご自身が納得いくまで歯科医師から説明を受け、ご家族とも話し合い、納得したうえで治療を決定することをお勧めします。
歯の抜けた時の治療法は様々あり、費用以外にもそれぞれにメリットとデメリットがあります。当院では、インプラントも含めて、患者様一人ひとりにあった最適な方法をご提案させていただいております。
長年実績がある新越谷駅そうごう歯科へ、まずはお気軽にお問い合わせください。
